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棚水深比の変化とシーズナルパターンの考察【2017シーズン、20回のデータを振り返って】

新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。

年末ジャンボ宝くじの発表で、今年も奈落の底に落とされた山口です。今年も真面目にコツコツ働きますww。

さて、昨年7月から12月の釣行で今シーズンから精力的に取り組んだデータ取り。こんなに毎回真剣にデータを取ったのは初めてでした。約20回のデータです。釣行では、キングバトル予選、セミファイナル、ファイナル、タチウオパーティ、他数回、そして雨の日の釣行以外は基本データを確実に取りました。何度も手返しの悪さ故にデータ取りを止めようかと心が折れそうになった事か・・・。データは取るだけでなく比べる為に有ります。また、そのデータからの私なりの考察をしてみました。私は基本、潮が良い日、悪い日に関係なく毎週土曜日に釣行する事が多く、コレも意外とデータを取る上では平均化され、信ぴょう性も高いと思われます。

 

ちなみにデータの取り方ですが、アタリ棚は釣れた棚では無く、初アタリの棚です。また、探見丸搭載船に私は乗船するので水深等は、ほぼ正確です。そして正確なデータがどうしても欲しかったので、釣れたらその場で直ぐに書き込みます。流しなおす時に適当に覚えてる範囲で書き込んだデータではございません。ですので、時合いの時は明らかにデータを書き込む為に竿を置き、手を綺麗に拭き、ボールペンを持ってとなるので結構手返しが悪くなった記憶が有りますが、でもデータを蓄積してみると面白い結果が出ました。苦労した甲斐が有りました。いつも、ゴソゴソと書いていると、みんなに「コイツ何してるねん?」と言うような顔で見れれる事にも慣れました(;´Д`)

現場ではこういった感じで↑データを取ります。そして帰宅後Excelの表にして、PDFファイルを完成させ、いつもタチウオマニアの投稿に添付しています。また投稿するPDFファイルとは別に、その日の平均の棚水深比を集計表に入力して行きます。

棚水深比とはアタリ棚を水深で割ります。そして1に近づく程に底付近で釣れた事になります。例えば・・・・

12.30湊丸11中潮【←リンク有り】12/30の湊丸での13尾の釣果データを平均化した物が、その日の平均の棚水深比になります。今回は0.81です。

そして約20回分の平均棚水深比のデータがこちらになります→。棚水深比 集計表

ちなみに、パソコンでご覧下さる方はリンク先をクリックすると同じウィンドウで開いてしまい見にくいので、リンク先はshiftキーを押しながらクリックして頂くと別ウィンドウで開くので、この説明と横に並べて頂き見て頂くと非常に見やすくなっています。

表だけご覧になっても分かりにくいので、グラフにしてみると・・・・・

 

Y軸には(棚水深比の)1を下側にして表しています。X軸には7月~12月の月日の移り変わりを表しています。点がY軸の下側に行けば行くほど底付近で多く釣れた事になります。それではご説明します。

見て頂ければ、7月は底付近で多く釣れた事が分かります。今シーズンの特徴です。例年、そんな事はなく上ずっている事も多いのですが、今シーズンは本当に底でよく釣れていました。そして大まかに説明すると、9月に入った辺りから急に棚が上ずり始めて、10月の中旬をピークにして、徐々に棚が下がり始めます。グラフにすれば顕著に表われました。

ある程度は予想していましたが、ここまで綺麗に出るとは驚きです。

ただ、このデータはあくまで私が一人で取ったデータです。ですので、私的に最初から今回出た結果を予想の下で考えながら毎回釣りをしているので、どうしても棚取りが予想の方向へ向かったのかも知れません。また、私は基本中層の釣りを得意としており、上ずる棚の攻略をいつも考えているので棚水深比がある程度小さくなる(棚が上ずる)かも知れません。出来れば、2.3人で違う釣りを展開する方とデータを取りたいのですが、こればかりはお願いしても誰も協力してくれないハズですww。ある方は「お金を貰っても無理」と言っておられましたww。

【考察】

7月の釣行時は上の棚では今年はなかなか釣れず、hitしたタチウオからはしばしばアミエビを吐き出した記憶が有ります。例年、特にシーズン最初は上ずる事も多いのに・・・。でも今年はイカナゴ漁も不漁・・・よく聞く話は、すべての魚が遅れていると。そう言えば、今年は鳴門の真鯛も釣れ始めが遅かったです。確か水温の上昇が遅れていると言っていたと思います。

8月から9月に入り水温上昇と共に台風の時期になり恐らく水質の悪化(底濁り)が入りだし棚が上ずり始める。またイワシを追いかけるようになり更にその棚の上昇に拍車をかけたのも有るかと思います。また今年は、例年なら9月頃から産卵に入りだすと釣果が激落ちするハズなのに、それなりに高い釣果をキープ。例年ならキングバトル予選会の潮の悪い日は1ケタの勝負だったのに今年はそんな事は、ほぼ無かったと記憶しています。しかし、釣れてくるサイズはほぼ産卵には関係のないサイズばかりだったと思います。

が、しかし・・・10月の台風2連発直撃以降は釣果は激落ち・・・・。例年のパターンに・・。

私的には、この辺りから水温が顕著に低下し始めて、11月の頭には気温が水温より低下する、夏場との逆転現象が起きたのではないか?と。こうなると水中では底付近の水と表層との水が移動を始めます。よく言う「お風呂の湯沸かしの現象」が起こります。そうなると、底付近の水が表層に移動する事により、プランクトン等が異常発生したりするようです。よく、急に水の色がバスクリンを撒いたように変化する「赤潮とか青潮」とかいうような状態?ですよね。この赤潮や青潮の発生にはは諸説色々有りますが、とりあえずこのような状態になると魚は釣れにくくなりますww。ただ、今年は見てる限りではこのような現象は少なかったハズなのですが・・・。よく、淡路島の高速を走っていると、この時期は海の色が本当にバスクリンを撒いたようになっている事に気付く事が多いのです。船から見てる限りではイマイチ分からないのですが・・・。こうなって来ると間違いなく当たり棚は上ずります。また深場ではアタリが少なく、浅場で勝負する事も多かったと記憶しています。

こうなると、落ち着くまでにしばらく時間が掛かる事が多く、水温が低くなって行き安定しだすとまた回復します。

例年なら12月の初旬あたりから回復基調に乗り、年末の小潮周りなどは爆釣するハズなのですが・・・・滝汗。今年はそうでもなさそうです。でも、今後このグラフを読み解くと更にアタリ棚は底付近になると思います。また例年、一月の最初の小潮周りを最後にタチウオ様は神戸沖では釣れにくくなり南下を始めます。神戸方面の船宿様も洲本沖まで遠征してくる事も多く、大変そうです。

タチウオ様の動きがドンドン遅くなり、また水温の少しでも高い深場を目指す為に、更に棚が下がる傾向になります。こんな面白い話もよく聞きます。「底引き網には例年8月~12月にはタチウオは入る事は少ないが、年を越すとと急に入りだす。」そうです。これは、8~12の水温の高い時期のタチウオは泳ぐのも速く底引き網を引っ張る速さより速く泳ぐので網に入らない。しかし、水温低下と共に活動力が鈍くなりだすと、底引き網漁船の速さに負けてしまい、また棚も底を目指すので入りやすくなるのでは??と考えます。嘘のような本当の話のようです。

そして今後の傾向は・・・と言うと。例年、1月は夏場のような激しい追いは無いものの、アタリは多く洲本沖などでは最後のお祭りが始まります。1月後半の小潮周り・・・・。超ねらい目です。そして2月に入り・・・アタリはめっきり減りますが、底付近で大物が固まり始めドラゴンラッシュに沸きます。20も30もは釣れませんが、重量感たっぷりの合わせる度に竿に大きな反動が返って来る事も多く至福の時間が訪れます。

そして、そんな時におススメするのが・・・・夜光ナシ塗料のテンヤです。この辺りから特にこのタイプのテンヤの底力を発揮します。釣り具屋さんから恐らく姿を消す日は近いハズです。早めのお買い求めをおススメします。私も相当ストックは持っていますww。

ハヤブサのオールケイムラ、ダイワのマイワシカラーなどがこのタイプになります。まぁ一度騙されたと思って1月後半からご使用してみて下さいませ。釣れてくる尾数はそれほど変わらなくてもサイズが変わったりする事が多いです。

ちなみにこれからの時期の攻略法・・・・。特にアタリが小さく、餌を食い散らかす事は少なくなります。一尾のイワシで何尾もタチウオが釣れたりする時期に突入します。そしてポイントは深場へ移動。また洲本沖のヨレ潮、深場となると本当に釣果の差が激しく出たりする日も出ます。11月、12月の活性が低くなった時は胴調子の竿で追わせて追わせて乗せる釣りも有効な日が多く存在しますが、2月に入りだすと柔らかい竿では最初の小さなアタリすら分からず「当たってるのに分らない」。そして上げてみると餌の尻尾が無くなってるような日も出てきます。そう言った日は先調子の竿に軍配が上がる日が特に増えます。また、最初の小さなアタリを掛けていく釣りが本領を発揮する時も多く、メタルトップ等の高感度ロッドをおススメしますww。

1月後半からの「掛ける釣り」本当に面白いですよ。私は1月後半から2月にかけての超難しい釣りの為に7月~12月まで練習していると思っています。これからが私が考えるテンヤタチウオの神髄です。是非、皆様もこれからの極寒時期のテンヤタチウオをお楽しみくださいませ。くれぐれも風邪など引かないように、暖かくして釣りを楽しんでくださいねーー。

今回の私の考察はこれぐらいでご勘弁を・・・・。また、私も未だ勉強中で色んなスゴ腕さんに教えて頂いたり、また船長から耳より情報を仕入れたりと・・・。私は特に釣り中や移動中に暇さえあれば船長と話をさせて頂く事も多く、よく行く湊丸、八千代丸、ブルーマックスの船長などは、聞いた事に関して丁寧に分かりやすく説明してくれます。ブルーマックスの船長の漁師用語クイズなどは、本当に傑作ですよ・・・・ww。今度、釣場で「タチウオカルトQ」でも開催しましょうか??ww

ただ、あくまで今回の考察はまだまだ勉強中の為に間違ってる事も多いと思うので参考程度に・・・。軽ーく聞き流して下さいww。でも、考察はともかくデータはウソをつきません。ここは絶対必見です。

私はいつも思っています。『フィッシングはデータだ』と・・・・。

私も釣り人です・・・いつも1尾でも多く釣りたいと思います。でも、最近は特にその数釣りをし過ぎる為に起きる副作用とのジレンマにも陥り、考えさせられる事も多いですが・・・でも多くのアタリが欲しいのですww。

ちなみに釣場で私に会っても、ドラゴンサイズの釣り方等は聞かないで下さいね。だって私、大きい魚とは全く縁が有りませんので・・・ww。

 

ではでは、今年も良い釣りを・・・・・