年をまたいで延期となった【大阪湾タチウオKINGバトル2014】の決勝戦がいよいよ1月11日に開催された。当日は和歌山・加太の三邦丸に「狭き門」を勝ち残った猛者たちが集結し、真の大阪湾ナンバーワンを決するべく、アツいバトルを繰り広げた。
予選全26回、約300人の予選参加者の中から、各予選ごとのトップのみが出場することのできる狭き門、【大阪湾タチウオKINGバトル】のファイナル。
当日は和歌山・加太の三邦丸乗船場に集結。5時半からの開会式では、ナビゲーターの伊丹章さんから、まずはスタッフの紹介。
「ところで気になる船頭は?」と思ったところで、「今日のための助っ人、スペシャルゲストの『スーパー船頭』!!」と伊丹氏。登場したのは覆面をした謎の男!!?
…そんなこんなで、朝から和やかな雰囲気と緊迫感が入り乱れた会場だったが、まだ辺りが暗いうち、50人乗りの超大型船ヴェルデに乗り込み、6時に出船した。
まずはスーパー船頭、当日の朝の大本命、由良沖の90㍍ラインへ。だが、魚探の反応が…。開始の合図は伊丹さんがマイクで高らかに。時刻は7時前。
だが、タチウオのアタリは皆目なし…。数回ポイントをかえて流すも、やはりダメ。
そこで船頭、大きくポイントをかえて突っ走り、今度は洲本沖の70㍍ラインへ。到着すると、魚探には先ほどとはまるで違う、濃い反応が!! 「水深70㍍、50―60㍍に反応」。
…と、そこからは、ほぼ「祭り状態」。さすがはツワモノ揃いの船上だけに、タチウオのアタリが出だせば、あっちもこっちもギュンギュンと次々に、竿がしなる、しなる!!
アタリは中層主体に多いが、前半は食いがまだ本格化していなかったせいか、短いピッチやスロー気味の巻き誘いのほうが確実にヒットにつながり、ここで差が開いた。
瞬く間に中間集計の9時。トップを走る山口氏はサンマの切り身をエサに、ちょうど1㍍刻みの巻き+止めに、フワフワと小刻みなジャーク。
横に並んだシード選手・初代タチウオKING藤木氏の激しいジャークの横で、見た目には対照的な、着実な攻めが功を奏した様子。
後半に入ると、さらにアタリの数も増えたようで、手返しと、いかに当たりダナを的確に探るかがカギに。
そこからは優勝候補を噂された名人たちも一気に追い上げにかかり、どの選手もすでにクーラーはタチウオでいっぱい。誰がトップか、スタッフも選手も全く分からない…。そんな息つく暇もない緊迫感MAXの状況の中、伊丹さんから、11時半の「ストップフィッシング~」のアナウンス。選手たち全員の口から思わず「ホッ」とため息が漏れた船上。ヴェルデは一路、港へ。
ちょうど12時、港に到着すると、乗船場で検量。釣果はまさに僅差だった。
栄えある優勝カップを手にしたのは、前半からラストまでほぼ同じペースでコンスタントに釣果を伸ばし続けた、左舷ミヨシから4番目の徳冨幸夫氏、32尾。
2―4位は30尾の同数。長寸勝負で2位が中橋政男氏(113・5㌢)、3位が山口武久氏(112㌢)。
「いい意味の緊迫感」とはまさにこのことと言いたくなるような、楽しくもスリリングな、最高の決勝大会だった。
さて、前半、後半ともに終始コンスタントにヒットを続けた優勝者・徳冨氏の誘いパターンは、「約50㌢刻みの巻き」+「止め」が基本とのこと。
この動作を、タチウオの活性に応じて「止め」の感覚を長くしたり短くしたりしているとのこと。「1㍍とか1.5㍍刻みとかで巻いて止めて…というふうによく言われますけど、自分はもう少しじっくり魚にテンヤを見せたほうがいいんじゃないかと思い、こうしています」。また、この誘いにプラスして、時おり道糸を手繰ってチョンチョンチョンと揺するような誘いも多用しており、特徴的。
「この誘いをした後にアタリがでることが多いんですよ!」と徳富氏。アタリ⇒アワセについては、「自分はそんなに器用じゃないので、小さなアタリには合わせず、上へ上へと誘って、本アタリが出たら合わせるというオーソドックスな釣り方を忠実にやっているだけです」とのことだった。
↑徳冨氏のテンヤ。ヨーヅリのリアルヘッド、ハヤブサ×魚矢の極テンヤにエサは船で配られたイワシを使用していた
■優勝者・徳冨氏のタックル(写真中央):リーディング82MH-190MT(ダイワ)+プレイズ800(シマノ)
■準優勝・中橋氏のタックル(写真右):バイオインパクトXタチウオ82-190(シマノ)+シーボーグ150J(ダイワ)
■3位・山口氏のタックル(写真左):極鋭タチウオテンヤSP(ダイワ)+フォースマスター400(シマノ)
優勝 徳富幸夫 32尾 (上丸)
2位 中橋政男 30尾 長寸113.5cm (三邦丸)
3位 山口武久 30尾 長寸112.0cm (三邦丸)
4位 田中正人 30尾 長寸111.0cm (湊丸)
5位 皆坂康夫 29尾 (河合釣船)
5位 福澤英樹 29尾 (上丸)
7位 山本和人 28尾 (海新丸)
7位 水上謙治 28尾 (三邦丸)
9位 菊池雄一 27尾 (丸松乗合船)
9位 辻康雄 27尾 (第二小島丸)
※括弧内は予選通過船名。敬称略